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こだわりの堆肥づくり

暑い夏が終わると、一転して肌寒い雨模様。作物にとっては恵みの雨であるのと同時に、生産者にとっても本来は路地での作業がお休みとなる一服の時でもあります。
しかし、そんな時も齊藤完一には、おいしい野菜を生産する為のとても重要な仕事が待っています。
20年前、化学肥料を使わない有機農法を志したときから、齊藤完一は「土づくり」にこだわり続けました。
農産物は肥料がないと満足に育ちません。近代の農法では限られた面積で最大限の収量を短期間に確保しようと、植物に必要な養分を化学的に作った肥料を土壌に撒き続けてきました。
それは生産者にとって手間やロスの軽減、流通業者にとってコスト削減などのメリットもあった反面、人体に有害な硝酸態窒素が多く含まれる農産物が多く流通する様になりました。

およそ1,000㎡の堆肥場で植物原料主体の堆肥を生産

有機栽培=堆肥というイメージがあると思いますが、ただ堆肥と言っても様々です。
例えば、動物のフンは栄養価の高い堆肥となりますが、抗生物質などの化学物質を大量に食べさせられた家畜のフンで作られた堆肥が、本当に私たちの体に安全なものかは疑問です。
齊藤はただ牧場から買って来た堆肥を畑に撒くのではなく、自らが納得出来る堆肥を生産するため広大な土地に堆肥の生産設備を作りました。
堆肥の原料には動物性のものも使用しますが、近頃では植物性の原料が主体になっています。今回運び込まれたのは、飲料メーカーの工場から出た茶ガラです。
「捨てればタダのゴミだけど、堆肥として使ってやれば最後はまた皆の口に入るんだ。」と齊藤は軽く言いますが、今日運び込まれた原料が実際に畑に撒ける状態になるまで、1〜2年の間ここで発酵、撹拌という作業を繰り返されなければなりません。
「こう言う作業は畑の仕事がない雨の日じゃないと出来ないからね。」齊藤はそう言って再び重機に乗り込み、黙々と作業を続けていました。

2010.10.1

“こだわりの堆肥づくり”に2 件のコメントがあります。

  1. たみちゃん より:

    いつもおいしいお野菜ありがとうございます!
    私たちの知らない所でこんなお仕事もされているのですね。。。。

  2. 管理人 より:

    コメントありがとうございます。
    齊藤さんはここまでこだわってるから畑の土食べられちゃうんですね(笑)

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